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2024年9月2日

下刈り作業の自動化運用実証をドコモ君津の森ほかで実施

下刈り作業の自動化運用実証をドコモ君津の森ほかで実施

株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)、株式会社筑水キャニコム(以下、キャニコム)、千葉県森林組合の3社は、林野庁の林業デジタル・イノベーション総合対策のうち戦略的技術開発・実証事業の採択を受け※1、林業における省人化および自動化による下刈りコストの軽減を目的とした「自動運転型下刈機械の植栽フィールド運用実証」 (以下、本実証)を、2024 年8月26日(月)から実施します。

本実証は合計3回の実施を予定しており、第一回、第三回の実証は千葉県君津市の「ドコモ君津の森」※2で、それぞれ2024年8月26日(月)から8月29日(木)、12月9日(月)から12月12日(木)まで実施する予定です。また、第二回の実証は、千歳林業株式会社が保有する北海道砂川市の山林で、2024年9月30日(月)から10月3日(木)まで実施する予定です。

本実証では、林業における省人化および自動化による下刈りコスト軽減を目的に開発した自動運転型下刈機械を使用し、林業現場で実際に草刈りを行い、その運用性能を検証します。機械の操作は、自動運転ルートの設定と車両の遠隔監視を行う専用アプリケーションがインストールされたタブレット端末一つで実施します。

本実証により、植林コストのうち約半分を占める下刈り作業※3のコストを軽減し、熱中症リスクが高い過酷な労働環境の解決をめざします。

詳細は、以下概要をご確認ください。

【本実証の概要】

1.実証事業の名称および実証テーマ
林業デジタル・イノベーション総合対策のうち戦略的技術開発・実証事業
「自動運転型下刈機械の植栽フィールド運用実証」

2.実施予定日程
第一回:2024年8月26日(月)~ 8月29日(木)
ドコモ君津の森(千葉県君津市)にて、植栽前の下刈機運用性能を試験

第二回:2024年9月30日(月)~10月3日(木)
千歳林業株式会社 社有林(北海道砂川市)にて植栽後の下刈機運用性能を試験

第三回:2024年12月9日(月)~12月12日(木)
ドコモ君津の森(千葉県君津市)にて、植栽後の下刈機運用性能を試験

3.自動運転型下刈機械の詳細
 自動運転型下刈機械は林業の下刈り作業自動化を目的にキャニコムが自社開発した機体をベースにしており、機体に搭載した高精度GNSS※4による自己位置情報を基準に、事前に設定したルートを走行し車両前方の刈刃で草刈りを行います。車両は最大傾斜角45度までの斜面で走行・草刈りが可能なため、30度を超える急傾斜の林地での造林作業のような、これまでは対応が難しかった場所も下刈り作業の自動化が可能となります。
遠隔地では車両の四方についたカメラ映像や地図に配置された機体の位置情報、四方のうちの前方カメラに合成された自動運転走行ルート情報などを複合的に目視で確認することで、機体の状態をリアルタイムに把握します。傾斜角やGNSS電波の精度等、機体の安全性に影響を及ぼす情報についても同様にモニタリングし、危険がある場合は監視者側で遠隔操縦への切り替えによる操作が可能です。また、自動運転ルートの設定、車両の遠隔監視はいずれもタブレット端末で動作する専用アプリケーションのみで操作可能です。遠隔監視、操作時の通信については4G/LTE通信に加えて衛星通信「Starlink」も使用できるため、電波の入りにくい環境下でも作業を行うことが可能です。傾斜約25度を登坂している自動運転型下刈機械

4.各社の役割

5.実施内容
A) 千葉県と北海道の2か所、各1ヘクタールの植栽フィールドを使用した自動運転下刈り作業の実施
B) 地域特性に即した植栽フィールドを使用した自動運転下刈り作業の実施
C) ドローン画像をもとにした切株、残材の位置情報の解析
D) GNSSアンテナ付き植穴掘り機の開発及び、それを使用した植栽位置情報の取得
E) 運航監視システムのタブレットアプリ化

6.検証項目
A)下刈り作業の自動運転機能の評価
B)地域特性に合わせた下刈り作業の評価
C)下刈り自動化に向けた造林行程のIoT化検証
D)下刈機械及び運航監視システムのUI・UXの改良

ドコモ、キャニコム、千葉県森林組合の3社は今後も、温室効果ガスの削減という社会的責任を果たす為、林業の現場DX推進に向けた活動を実施いたします。森林保全のための技術変革を積極的に進めていくことで、二酸化炭素吸収量の増加や生態系および水資源の保全・保護を推進し、持続可能な社会の実現に貢献します。

※1 『令和6年度 林業機械・木質系新素材の開発・実証 林野庁補助事業 取組概要』 参照。
https://www.rinya.maff.go.jp/j/kaihatu/morihub/attach/pdf/morihub-132.pdf
※2 ドコモの森は、生物多様性保全の推進・森林再生によるCO2 削減といった社会課題解決を図る目的から、NTTドコモが活動している森林です。ドコモ君津の森は千葉県森林組合が管理する人工林を2023年9月からドコモの森として管理しています。
※3 『省力・低コスト造林ガイドライン及び造林未済地の再造林 ・荒廃農地の林地化検討事例』 p.17参照。
(https://www.rinya.maff.go.jp/j/kanbatu/houkokusho/attach/pdf/syokusai-4.pdf)
※4 「全地球測位衛星システム」のことを指します。これは地球上のどの場所にいるかを正確に割り出す機能を持つシステムで、地球の上空数万kmを周回する人工衛星と通信します。
本リリースは、NTTグループが展開するGXソリューションブランド「NTT G×Inno(エヌティティ ジーノ)」※の取り組みの1つです。URL:https://group.ntt/jp/group/nttgxinno/
※ 「NTT G×Inno」は、日本電信電話株式会社の商標です。
「NTT GX(Green Transformation)× Innovation」の略称であり、社会へのソリューション提供を通じてGX分野でInnovation(変革)をおこし、2050年カーボンニュートラルの実現に貢献していく取り組みです。

本件に関する報道機関からのお問い合わせ先

株式会社NTTドコモ ライフスタイルイノベーション部 GXビジネス担当 docomo_gx@ml.nttdocomo.com
株式会社筑水キャニコム 広報担当 森山 y_moriyama@canycom.co.jp
千葉県森林組合 chiba@senmorikumi.jp

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